【第1報】三重県鈴鹿市が危険な空き家を緊急撤去へ 全国7例目で県内初 空き家法を適用 

 三重県鈴鹿市小岐須(おぎす)町の県道沿いに建つ空き家が今年初め、自然に壊れ、道路が通行止めになっている。鈴鹿山脈ふもとに位置する山村の「幹線道路」のため、市は2月17日、持ち主に代わり、解体して撤去する作業を始めた。「空き家法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)に基づく、こうした空き家の「緊急代執行」は県内初で、全国7例目という。

 現地では、市職員が法の手続きに従って「放置すれば、周辺の住宅や住民に、非常に危険な状態」と宣言文を読み上げ、地元建設会社が木造平屋の住宅のべ約70平方㍍を解体する準備に入った。3月初めには終了し、これまで迂回していた車両や通学の中学生、市が運行するコミュニティバス「Cバス」が現場付近を通れるようになる。200万円余りと見込まれる解体撤去費用は、市が所有者に請求するという。

 この空き家について、市は8年前、倒壊の恐れがあることなどから法に基づき「特定空き家」に指定。持ち主に指導、勧告してきたが、応じてもらえない状態が続いていたという。今年1月8日、山からの強風「鈴鹿おろし」のため外壁が道路にはみ出しているのを、コミュニティバスの運転手が気づいた。通報を受けた市は、早急に撤去する必要があると判断。指導や勧告からいきなり、強制的な執行を伴う「緊急代執行」に踏み切った。法による空き家の解体、撤去は通常、「指導」「勧告」より厳しい「命令」「戒告」の手続きを踏んで実施され、県内各地で例がある。

 全国で空き家が問題化しており、鈴鹿市内では1600件以上が確認されている。固定資産税を高くしたり、強制的に解体したり、地方自治体が強い権限をふるうことができる「特定空き家」は44件。都市部への人口集中や、少子高齢化が進む中、担当者は「空き家は今後も増え続ける」とみている。(酒井直樹)

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