花の名所にぎわう ルーツは「海軍さんの桜」 三重県鈴鹿市の桜の森公園

 春の日差しが降り注いだ4月5日、三重県鈴鹿市南玉垣町の「桜の森公園」は、大勢の花見客でにぎわった。家族連れが満開の桜を見ながら、散策を楽しむ平和な光景が見られたが、もともとは旧海軍の基地に植えられた木々がルーツ。戦後80年がたち、軍事施設が「桜の名所」に変わり、その歴史を知らない人も増えている。

【「海軍さんの桜」とされる古木。写真奥は、鈴鹿医療科学大白子キャンパス。NTT西日本鈴鹿研修センタ当時の建物が使われている】

【「海軍さんの桜」とされる古木。写真奥は、鈴鹿医療科学大白子キャンパス。NTT西日本鈴鹿研修センタ当時の建物が使われている】

 公園一帯には、1938(昭和13)年に旧海軍の鈴鹿海軍航空隊が置かれ、航空兵を養成。終戦近くには「航空基地」として実戦部隊になった。海軍といえば桜がマークで、兵士たちが戦地に赴く時などに苗木を植えたという言い伝えが残っている。

 1945(昭和20)年に第2次世界大戦が終わり、広大な跡地は消化、整腸、栄養剤の「わかもと製薬」の事業所として転用。その後、技術者を育成する「電電公社(現NTTグループ)」の鈴鹿電気通信学園として使われ、85(昭和60)年の民営化後は一時、利用されない状態が続いていた。一帯には2013(平成27)年、防災機能を備えた桜の森公園が開園。隣接して鈴鹿医療科学大白子(しろこ)キャンパスができ、住宅街になり、地域の風景は大きく変わった。それでもキャンパス正門に向かう道路沿いの桜並木は、今も当時の面影を残している。「かつては『海軍さんの桜』と呼ぶお年寄りもいた」。公園には200本近くの桜が植えられ、中には当時から受け継がれているものもあるという。(酒井直樹)

【公園の一角に保存されている海軍航空隊当時の正門㊧と番兵塔㊨。市民有志が保存、活用を要望した】

#鈴鹿市 #海軍の桜 #海軍航空隊 #わかもと #電電公社 #NTT #桜の名所

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です