三重県鈴鹿市北長太(きたなご)地区で、市道沿いの空き家が、今にも道路側に倒壊しそうな危険な状態で放置されたままになっている=写真㊤。市は空き家の撤去に向けて法的手続きを取っているものの、撤去の方法や費用を巡って、暗礁に乗り上げている。市は危険性があることを住民に知らせたり、う回路を設けたりしておらず、空き家のすぐ近くを小学生が通学のため通り=写真㊦、車も通行するなど、「いつ重大な事故が起きてもおかしくない」という。関係者が7月1日、「住民の生命を守るため早急に対応を」と訴え、市に現状を説明した。


この空き家は伊勢湾に面した古くからの住宅密集地にあり、600平方㍍余りの敷地に木造の母屋や蔵、鶏舎などが建っている。地元関係者らによると、住人が亡くなり、4年ほど前から空き家になっている。樹木や雑草が生い茂り、害虫の発生源になったり、異臭がしたりして改善を求める声が上がっているという。長方形の敷地の北、南、西側が、生活道路の市道に面しており、付近には屋根から落ちたとみられる瓦の破片なども散乱し、屋根が朽ちて落下の恐れがある瓦も目立つ。


危険なうえ生活環境を悪化させかねない空き家の「処分」は、地元住民も市当局も共通の課題。関係者によると、敷地や建物を相続した所有者は海外で行方不明になっている。このため、市の申し立てを受けて、津地裁が、この土地と建物を管理、処分する法的権限を持つ「管理人」に、市外の司法書士(土地家屋調査士、宅地建物取引士)の男性を選任した。「管理人」の男性は建物や樹木をすべて撤去して土地を売却したい意向。7月1日には、この男性や地元市議らと、担当の市住宅政策課が協議。危険な建物だけを取り除くなどとする市側との「認識の違い」が浮き彫りになった。撤去費用についても解体業者の見積もりで700万円余りとする「管理人」側に対し、市は明確な方針を示さなかった。「管理人」の選任については、津地裁が専門知識を持つ人の中から無作為に選んでいる。男性は「スムーズにいけば、5月中にも撤去できていたはず」と憤り、「市の対応がはっきりしない」として管理人を辞任したい考えも示している。協議とは別に、「台風シーズンを控え、いつ建物が倒壊し、瓦が落下するか分からない。住民の身や付近の建物に危険が及ぶ可能性があり、緊急性が高い」として関係者は市当局にも現状を説明した。その後、市の担当課は近く、関係者が再度、集まって話し合いができないか準備を始めた。
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