三重県鈴鹿市の給与計算を担当する20代の男性職員が、自身の残業代を10カ月で計13万円余り、計60時間分を水増ししていたとして、市は2026年3月19日、この職員を懲戒免職にした。職員は不正に受け取った残業代を返還したが、市は「公務員としてあるまじき行為」として鈴鹿署に刑事告訴する方針。
職員は総務部に所属。昨年2月~11月、6回にわたり業務用パソコンで給与システムを操作し、「時間外勤務時間を不正に書き換え、13万540円を詐取(さしゅ)した」(人事課)としている。このシステムにアクセスできるのは、人事課給与厚生グループなどの限られた職員にしか権限が与えられていない。1500人近い全職員の出勤や退勤の時間は、別の出退勤システムで管理、記録されている。市によると、この職員の給与システムと出退勤システムの時間外勤務時間が一致しないことが判明。本人に事情を聴いたところ、操作をしたことは認めたものの、「給与システムが正常に作動するか、試験的に操作した」と「犯意」を否認。「悪意はなかった」としているという。しかし、本来なら試験的な給与システムの操作にも担当課の承認が必要で、この職員が時間外勤務時間を増やせば給与が増えることを認識し、実際に受け取っていたことなどから、地方公務員法の懲戒処分のうちで最も重い免職に相当すると判断した。現在、市は警察と協議を進めており、公文書偽造・同行使・詐欺か窃盗などの疑いで刑事告訴する準備を進めている。
このほか文化スポーツ部のパートタイム会計年度任用職員の70代の男性についても、市は19日、昨年11月15日夜に飲酒して鈴鹿市内で車を運転し、信号待ちの車に追突して、女性運転手にけがを負わせたのに逃走したとして懲戒免職にした。市などによると、男性は知人3人とばったり出会い歓楽街の近鉄平田町駅前の飲食店で生ビール中ジョッキ1杯とメガハイボール1杯を飲んでいた。鈴鹿署が道交法違反などの疑いで捜査しており、今年1月中旬、男性からの事故報告で市が事実を把握した。男性は、人事課の事情聴取に「気が動転して逃げてしまった」と話しているという。
2件の懲戒免職に絡み、管理監督責任があったとして総務部と文化スポーツ部の部長級職員2人のほか関係する職員4人が文書で訓告(くんこく)処分を受けた。この処分は、免職、停職、減給、戒告と4段階がある法律上の懲戒処分には相当せず、鈴鹿市では通常、公表していない。

【2件の懲戒免職で頭を下げる樋口幸人副市長(右から2人目)ら=鈴鹿市役所で】

末松則子市長のコメント このたび、本市職員が起こした2件の非違行為につきましては、全体の奉仕者である公務員としてあるまじき行為であり、市民の皆様の信頼を大きくそこねてしまったことに対しまして、心から深くお詫び申し上げます。当該職員に対しては、地方公務員法の規定により厳正に懲戒処分を行うとともに、今後このような不祥事を二度と起こさぬよう、より一層全職員の綱紀粛正と服務規律の徹底を図り、市民の皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります。
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鈴鹿市では昨年暮れ、盗みの疑いで逮捕された20代の女性職員が停職6カ月の処分を受けた。ほかにも仕事中に業務と関係がないサイトを閲覧したり、居眠りを繰り返したとして訓告(くんこく)を受けた後も、不正閲覧や居眠りを続けたとして40代の男性職員が停職3カ月となった。当時も市は「今後このような不祥事を二度と起こさぬよう、より一層全職員の綱紀粛正と服務規律の徹底を図り、市民の皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります」とする同じ内容のコメントを発表している。
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