隣接する三重県鈴鹿市と亀山市でつくり、介護保険事業を行なっている「鈴鹿亀山地区広域連合」について、鈴鹿市議会は3月25日、デメリットが大きいとして広域連合の解散を含めた抜本的な見直しを求め、鈴鹿市に提言した。こうした特別地方公共団体を解散する場合、2市議会の議決や県知事の許可が必要で、利用する住民に支障が出ないよう広域連合の介護保険事業をスムーズに2市へ移せるかなど、ハードルは高い。広域連合のトップ「連合長」を務める鈴鹿市の末松則子市長は「介護保険などの事務で、より効率的、効果的なサービス提供体制を検討する余地が十分ある」との認識を示し、「亀山市と広域連合のあり方について協議していきたい」との方針を明らかにした。今後、亀山市や同市議会の方針によっては、一気に広域連合の見直しや解散にまで議論が進む可能性もある。
提言では、デメリットの一例として介護予防事業、日常生活支援総合事業を挙げた。広域連合が「要支援」と認定した住民向けのサービスを2市に委託する一方で、広域連合も「要支援」「要介護」の住民対象のサービスを提供する、いわゆる「二重行政」の構造になって実施主体が混在していると指摘。介護情報のデータは広域連合が管理しているので、それぞれの市が十分に活用できないことも挙げている。提言は、鈴鹿市議会(28議員)の特別委員会(8議員)が10カ月がかりで3月にまとめた調査報告書を基にした。報告書では、広域連合と2市は、それぞれ独立した3つの組織。広域連合を解散して2市で行うことにより、事務を簡素化できることにも触れている。
池上茂樹議長と特別委の桐生常朗委員長、曽我正彦副委員長が市役所で、末松市長に提言書を渡した。「解散を含めた抜本的な見直し」に加え、見直しを行なった場合、利用者の住民や介護事業所が不利益を被らないよう求めた。末松市長は「見直しの際、費用対効果の検証」「(2市の連携方法として)一部事務組合や協定の締結もある」とも述べた。特別委の調査報告書では、議員から出た意見も紹介。「一日も早く解散を」「2市が単独で事業を行った方がメリットが大きい」「人口1万人規模の自治体がスケールメリットを得るため広域連合を運営するのは意義があるが、人口5万人(亀山市)、20万人(鈴鹿市)の自治体が広域連合を組む意義は薄れている」といった「解散論」が多数を占めたことも記している。特別委は、鈴鹿市議会の各会派から1人ずつ参加して構成されており、提言は市議会の「総意」ともいえそう。
広域連合は、介護保険制度が創設されるのに備えて当時の鈴鹿市、亀山市、関町が1999(平成11)年に設立。悪徳商法などの相談に乗る「鈴鹿亀山消費生活センター」も鈴鹿ハンターショッピングセンター(鈴鹿市算所)に開いている。(酒井直樹)

【末松市長(左から2人目)に提言書を渡す池上議長(同3人目)、桐生委員長㊨、曽我副委員長㊧=鈴鹿市役所で】
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